地盤調査を行い、その結果地盤も良く安心して工事を始められます。遣り方では建物が設計通りの位置、地面からの高さになるように決めます。
その過程で、現行の給水メーターの位置を変える相談をしていた時に、敷地への上水の引き込みが鉛管でされていることに気がつきました。40年近く前に開発された団地で、駐車場としてずっと使われていたため、そのままになっていたようです。このまま鉛管にしておきたくはなく、いわき市役所へ相談してみました。
役所で鉛の水中に溶け出す濃度を検査してくれて、基準値を超えていた場合、行政が費用負担でステンレス管へ取り替えてくれるということで、調査を依頼しました。結果、基準値を超えてくれていたので、交換されました。基準値以下の場合、交換は自費負担と言われていたので、数十万円かかってしまいますから費用的にも一安心でした。
また、別の問題も出てきました、写真のように化石を含む泥岩の地層なのですが、掘り起こされ地盤の風化の状況次第では、地面の中に住む微生物が活動を始め、地盤の泥岩が破砕、粉化して体積が増え、地盤が隆起し建物が傾く現象が過去にあったと工務店さんから教えてもらいました。布基礎が全盛だった頃発生していたようです。今回は擁壁工事の時の地盤断面を目視した地盤の風化の様子や、長期優良住宅仕様のべた基礎である事、近隣物件での床下の状況から、問題はないだろうと判断して、基礎工事を進めました。
地盤調査だけだはわからないその土地固有の状況を、現地に行き人と話す事で発見と解決する事が出来ました。これもまた、設計者が関わるメリットだろうなと感じました。一つ一つの事柄を最大限納得いくように進める事の重要さを再発見しました。